個人事業主と法人の社会保険を比較|国保vs社保の違い
最終更新日: 2026年4月20日 /シミュレーターの計算根拠
法人化を検討する際、税金と並んで重要なのが社会保険料の違いです。個人事業主は国民健康保険+国民年金、法人役員は健康保険+厚生年金に加入します。それぞれの仕組みと負担額の違いを解説します。
個人事業主の社会保険
国民健康保険(国保)
- 前年の所得に基づいて保険料が決まる
- 自治体によって保険料率が異なる
- 上限額は年間約106万円(2024年度)
- 扶養の概念がなく、家族の人数分の保険料がかかる
- 傷病手当金・出産手当金がない
国民年金
- 月額16,980円(2024年度)で定額
- 老齢基礎年金のみ(満額で月約6.8万円)
- 付加年金やiDeCoで上乗せ可能
法人役員の社会保険
健康保険(社保)
- 役員報酬(標準報酬月額)に基づいて保険料が決まる
- 会社と本人で折半(各約5%)
- 扶養家族は追加保険料なしで加入可能
- 傷病手当金・出産手当金がある
厚生年金
- 役員報酬に対して18.3%(会社と本人で折半)
- 国民年金(基礎年金)+厚生年金の2階建て
- 将来の年金受給額が大幅に増える
- 障害年金・遺族年金も手厚い
負担額の比較例
年間所得600万円の場合の概算比較:
| 項目 | 個人事業主 | 法人役員 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 約65万円 (国保・全額自己負担) | 約35万円 (本人負担分) |
| 年金保険料 | 約20万円 (国民年金・定額) | 約55万円 (厚生年金・本人負担分) |
| 本人負担合計 | 約85万円 | 約90万円 |
| 会社負担分 | — | 約90万円 |
※金額は概算値です。実際の保険料は自治体や協会けんぽの料率により異なります。
社会保険料を最適化するポイント
- 役員報酬の設定: 社会保険料は役員報酬に連動するため、報酬額を調整することで保険料をコントロールできます。
- 報酬と配当のバランス: 役員報酬を抑えて配当で受け取ると、社会保険料の対象外にできます(ただし配当には所得税がかかる)。
- 家族の扶養: 法人の社会保険なら、配偶者や子どもを扶養に入れれば追加保険料なしで加入できます。
まとめ
社会保険料は法人化で「会社負担分」が新たに発生するため、単純に比較すると総額は増えることが多いです。しかし、将来の年金受給額の増加、扶養制度の活用、傷病手当金などの保障面を考慮すると、法人化のメリットは大きいと言えます。
法人化シミュレーターでは、社会保険料を含めた総合的な負担額の比較ができます。 社会保険料の試算前提は計算根拠ページにまとめています。